こっそり運営している深海。顔なんて出さず、静かに泳ぐ。
季節は秋。
涼しく過ごしやすい気候が続いている。
それは例え山の中でも林の中でも同じであり…
人里離れた森の奥でも、同じように過ごしやすく秋らしい情景が広がっている。
只一つ、桜が咲き誇っていることを除いて。
殆ど誰にも知られていない。
そして…知られたとしても辿りつくことなどほぼ不可能と噂されている屋敷がひっそりと存在していた。
屋敷のイメージは一言で言うなら“不気味”である。
全体的に暗い印象である屋敷に住まう人々は何を思うのだろうか…。
屋敷の扉がゆっくりと開かれる…
「…おかえり、白霞(シラガスミ)…」
見れば中には1人の少女がいた。
歳は14くらいだろうか。薄い黄色のウェーブがかかった髪に桃色の瞳。
髪は猫の毛のようにふわふわしており、身に纏っているワンピースも可愛らしいものであり、しかもクッションを抱えている。
これだけなら可愛らしい少女だが、彼女には一つ特徴があった。
それは一目見ただけで分かる印象の強い特徴。
彼女の目はまるで人形のように、死んだ目をしている点…。
どうやら家の住人であるらしい出迎えられえた人は、その少女の目など気にせずにただ微笑んでみせる。
「ただいま、謡(ウタイ)」
微笑みながら、出迎えた少女の名前を呼ぶ。
帰ってきた人間…白霞と呼ばれた少女もまた特徴的な人物と言える。
薄い桃色のショートカットに薄い紫の瞳。
薄い青のミニワンピースに白いズボン。そして薄い紫のショール…。
全体的に色素が薄く、儚い様子である。
だが、表情は生気に満ちた笑顔だ。
まるで、表情を作ることが慣れているかのような、いつも同じ微笑み――。
謡が踵を返すと白霞も後に続く。
洋風の屋敷の奥に進みながら彼女達は何を思うのだろうか。
白霞の周辺にふと桜の花びらが舞い落ちる。
「白霞…どこに行ってた…?随分長かった…」
「心配させてしまいましたか?
そうですね…様子見といったところですよ。」
「誰の…?」
「7年ほど前に出会った私の手駒の1人ですよ。
いえ…手駒とは呼べませんね。彼は私の近くにいるものの、私に従っているわけではありませんから…」
くすくすっ。
さも可笑しそうに白霞は語ってみせる。
年端も行かぬ少女の発言としては不自然過ぎるが、同じく不自然な謡は違和感に気づかず話を進める。
「従わない、どころか…彼、白霞を憎んでる…」
「でしょうね。彼を狂わせた最大の原因ですから。」
さらりと言うと、既に部屋についていた白霞は窓の外に視線をやる。
窓の外はまるで異世界…。
辺り一面が幻想かつ桃色の世界であり、桜に支配されている。
「でも、だからこそ良いんですよ」
窓際に近寄っていた白霞は背後にいる謡に語りかける。
自分なりのポリシーを…
「全員が私に忠実だとつまらないですから。
逆に彼のような、私を憎んでいるのにわざわざ近くにいて利用している人は奥ゆかしいです。
まあ、私が彼の仇だと知ったのはごく最近のことでしょうが…」
「彼、来るかも、しれないよ…。白霞を殺しに…」
「来るでしょうね。彼はそういったポリシーの持ち主ですから」
何が楽しいのか、なお微笑み続ける白霞に謡は疑問を投げかける。
「どうするの…?」
一見白霞を心配している発言だが、彼女はこれ以上ないほど淡々としている。
「待ちますよ?」
「彼が私を倒したいと思ってかかってくるのなら…全身全霊でお相手致します。
それは私の義務のようなものですから」
「大丈夫…?白霞は…多分、彼には勝てない…」
「構いませんよ。」
自分では敵わない相手がかかってくるというのに、逃げもしない。
一体何が彼女をそうさせるのか…
白霞は『だって、』と続ける。
「私と戦えば彼は更に狂うことになりますから?
ただでさえボロボロの人形のようなのに、中身はかき回されます。
そうすればほら…」
白霞は手を伸ばし、外に手を掲げる。
「もっと楽しいことになるでしょう?」
そうして微笑み続ける。
「面白い結果が見えるのなら、暫く動けなくなるくらいは妥協しますよ。
ああ…楽しみですね。早く見つけ出してくれないでしょうか…」
明らかに大怪我になりそうな状況を逆に楽しみにしている様子の白霞に謡は『少し時間かかると思う』とだけ答える。
そして、謡はまた口を開くのだ…。
「白霞は…彼のことが嫌いなの?」
「いいえ?」
何を当然なことを聞いているのだという口調で答える。
「寧ろ興味深いですよ?」
彼女にとって好きか嫌いかなどという概念ではない。
ただ、面白いかそうでないかである――。
やがて自分だけ質問されているという状況に飽きた少女は振り向いて口を開く。
「というよりも謡。そんな当然なことを今更聞いてどうするんですか。
貴方も同属でしょう」
「……そう、だけど…。理由がちょっと違ってる…。
わたし、は……ただ知りたいだけ…。
人間という存在、それが何を考えているのかを…」
この少女も普通の人間などではない。
れっきとしたイレギュラー…。
そんな彼女に白霞はまた柔らかく微笑んで――
「安心してください。私もそうですから」
と、言葉を紡ぐ。
果たしてそれが謡にとって安心できる発言だったかどうかは定かではない。
何故なら、彼女はその後直ぐに部屋から出て行ってしまったからである。
白霞はただ窓枠に腰掛けながら、手駒(人形)…でなく実験動物(モルモット)に思考を走らせるのだ。
---------------
白霞というのが、前回貼り付けたイラストのキャラです^^
はぎーがギャップがあるというから小説書いちゃったじゃない!
…非常に楽しかったです(笑
白霞は私の持ちキャラの中で、1,2を争うくらい黒幕肌の奴ですねー。
細よりも凄い気がする(笑
ちなみに白霞と謡は同属ですが、微妙に違ってます。
目的はどちらも「人間という存在をよく知る」ことですけど…
なんというか…やり方が違うというか…。
謡の方がまだ可愛いっす^^;
もうちょっとキャラ練ってみます^^
それではこのあたりで…。
追記からはぎーにコメントレス★
涼しく過ごしやすい気候が続いている。
それは例え山の中でも林の中でも同じであり…
人里離れた森の奥でも、同じように過ごしやすく秋らしい情景が広がっている。
只一つ、桜が咲き誇っていることを除いて。
殆ど誰にも知られていない。
そして…知られたとしても辿りつくことなどほぼ不可能と噂されている屋敷がひっそりと存在していた。
屋敷のイメージは一言で言うなら“不気味”である。
全体的に暗い印象である屋敷に住まう人々は何を思うのだろうか…。
屋敷の扉がゆっくりと開かれる…
「…おかえり、白霞(シラガスミ)…」
見れば中には1人の少女がいた。
歳は14くらいだろうか。薄い黄色のウェーブがかかった髪に桃色の瞳。
髪は猫の毛のようにふわふわしており、身に纏っているワンピースも可愛らしいものであり、しかもクッションを抱えている。
これだけなら可愛らしい少女だが、彼女には一つ特徴があった。
それは一目見ただけで分かる印象の強い特徴。
彼女の目はまるで人形のように、死んだ目をしている点…。
どうやら家の住人であるらしい出迎えられえた人は、その少女の目など気にせずにただ微笑んでみせる。
「ただいま、謡(ウタイ)」
微笑みながら、出迎えた少女の名前を呼ぶ。
帰ってきた人間…白霞と呼ばれた少女もまた特徴的な人物と言える。
薄い桃色のショートカットに薄い紫の瞳。
薄い青のミニワンピースに白いズボン。そして薄い紫のショール…。
全体的に色素が薄く、儚い様子である。
だが、表情は生気に満ちた笑顔だ。
まるで、表情を作ることが慣れているかのような、いつも同じ微笑み――。
謡が踵を返すと白霞も後に続く。
洋風の屋敷の奥に進みながら彼女達は何を思うのだろうか。
白霞の周辺にふと桜の花びらが舞い落ちる。
「白霞…どこに行ってた…?随分長かった…」
「心配させてしまいましたか?
そうですね…様子見といったところですよ。」
「誰の…?」
「7年ほど前に出会った私の手駒の1人ですよ。
いえ…手駒とは呼べませんね。彼は私の近くにいるものの、私に従っているわけではありませんから…」
くすくすっ。
さも可笑しそうに白霞は語ってみせる。
年端も行かぬ少女の発言としては不自然過ぎるが、同じく不自然な謡は違和感に気づかず話を進める。
「従わない、どころか…彼、白霞を憎んでる…」
「でしょうね。彼を狂わせた最大の原因ですから。」
さらりと言うと、既に部屋についていた白霞は窓の外に視線をやる。
窓の外はまるで異世界…。
辺り一面が幻想かつ桃色の世界であり、桜に支配されている。
「でも、だからこそ良いんですよ」
窓際に近寄っていた白霞は背後にいる謡に語りかける。
自分なりのポリシーを…
「全員が私に忠実だとつまらないですから。
逆に彼のような、私を憎んでいるのにわざわざ近くにいて利用している人は奥ゆかしいです。
まあ、私が彼の仇だと知ったのはごく最近のことでしょうが…」
「彼、来るかも、しれないよ…。白霞を殺しに…」
「来るでしょうね。彼はそういったポリシーの持ち主ですから」
何が楽しいのか、なお微笑み続ける白霞に謡は疑問を投げかける。
「どうするの…?」
一見白霞を心配している発言だが、彼女はこれ以上ないほど淡々としている。
「待ちますよ?」
「彼が私を倒したいと思ってかかってくるのなら…全身全霊でお相手致します。
それは私の義務のようなものですから」
「大丈夫…?白霞は…多分、彼には勝てない…」
「構いませんよ。」
自分では敵わない相手がかかってくるというのに、逃げもしない。
一体何が彼女をそうさせるのか…
白霞は『だって、』と続ける。
「私と戦えば彼は更に狂うことになりますから?
ただでさえボロボロの人形のようなのに、中身はかき回されます。
そうすればほら…」
白霞は手を伸ばし、外に手を掲げる。
「もっと楽しいことになるでしょう?」
そうして微笑み続ける。
「面白い結果が見えるのなら、暫く動けなくなるくらいは妥協しますよ。
ああ…楽しみですね。早く見つけ出してくれないでしょうか…」
明らかに大怪我になりそうな状況を逆に楽しみにしている様子の白霞に謡は『少し時間かかると思う』とだけ答える。
そして、謡はまた口を開くのだ…。
「白霞は…彼のことが嫌いなの?」
「いいえ?」
何を当然なことを聞いているのだという口調で答える。
「寧ろ興味深いですよ?」
彼女にとって好きか嫌いかなどという概念ではない。
ただ、面白いかそうでないかである――。
やがて自分だけ質問されているという状況に飽きた少女は振り向いて口を開く。
「というよりも謡。そんな当然なことを今更聞いてどうするんですか。
貴方も同属でしょう」
「……そう、だけど…。理由がちょっと違ってる…。
わたし、は……ただ知りたいだけ…。
人間という存在、それが何を考えているのかを…」
この少女も普通の人間などではない。
れっきとしたイレギュラー…。
そんな彼女に白霞はまた柔らかく微笑んで――
「安心してください。私もそうですから」
と、言葉を紡ぐ。
果たしてそれが謡にとって安心できる発言だったかどうかは定かではない。
何故なら、彼女はその後直ぐに部屋から出て行ってしまったからである。
白霞はただ窓枠に腰掛けながら、手駒(人形)…でなく実験動物(モルモット)に思考を走らせるのだ。
---------------
白霞というのが、前回貼り付けたイラストのキャラです^^
はぎーがギャップがあるというから小説書いちゃったじゃない!
…非常に楽しかったです(笑
白霞は私の持ちキャラの中で、1,2を争うくらい黒幕肌の奴ですねー。
細よりも凄い気がする(笑
ちなみに白霞と謡は同属ですが、微妙に違ってます。
目的はどちらも「人間という存在をよく知る」ことですけど…
なんというか…やり方が違うというか…。
謡の方がまだ可愛いっす^^;
もうちょっとキャラ練ってみます^^
それではこのあたりで…。
追記からはぎーにコメントレス★
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